2011年12月24日土曜日

今、思うこと。

  劇団俳優座 阿部百合子
 東日本大震災及び原発事故は、私にとって終戦前夜、日本で最後のB29の爆撃を受け、焼け出された光景と重った。どちらも人災である。この事故は世界を震撼させた。人それぞれの人生感が変えられた想いである。
 若者は言う、どうして戦争を止(と)められなかったかと。そう!どうして原発を止められなかったのか?気付くと、こんなにも沢山の原発が出来ていた。今、家を失い、職を失い、折角作った食の安全を奪われ、途方もなく未来が見えにくくなっている。
 国民の一人ひとりが、自分の力で、なぜこうなったかを真剣に考え始めた。
 こんな時だからこそ、私たち劇団の発信が求められていると痛感する。
 2012年5月、俳優座は「ヒメハル〜ヒメジョオン・ハルジオン〜」と題して2050年を想定した舞台劇を上演する。少子化で人口が9000万を割った日本の小都市を舞台に孤独な老人と引きこもりの中年男の交流を描く作品に出演が決まっているが、実際の2050年がどうなっているかは今生きている私たちの責任である。未来を決定するのは小さくても一人ひとりの力が集まることにあると今、思っている

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