2015年4月27日月曜日

最近思うこと

  「ハゲタカ」から、
  日本の中小企業をまもる
        椎名麻紗枝弁護士、東京革新懇世話人)

 数年前にNHKで放映された「ハゲタカ」というドラマをご覧になった方も、多いであろう。
 今、あのドラマを地でいくように、外資系ファンドによる中小企業までもの乗っ取りが、各地で進行している。中小企業の多くは、金融機関からの借金を資本金がわりに経営を行ってきた。しかし、バブル崩壊後、金融機関の不良債権処理が大きな問題となり、貸しはがしが横行した。アメリカの金融資本が、巨大な不良債権を狙っていたことがその背景にある。不良債権をただ同然で買い取り、企業の乗っ取りを仕掛けるのだ。中小企業のばあい、株式を公開していないし、公開していても株式を取得するには、莫大な資金が必要になる。しかし、不良債権の買い取りは少額で済む。不良債権を買い取り、大口債権者として、売り掛け債権の差押、競売、さらには破産申立を脅しにして、会社の人事や経営に介入するのだ。
政府は、一昨年3月末で中小企業等金融円滑化法が失効したのを機に、中小企業に対するファンドの乗っ取りを加速させようとしている。過去、整理回収機構の行った「企業再生」は、企業の名前こそ残しても、経営者の追い出し、従業員のリストラ、地域商店との取引解消など、地域経済を疲弊させるものとなった。しかも、ファンドの多くは、タックスヘイブンで儲けても税金は払わない。
 亀井静香元金融担当大臣が、著書「晋三よ、国滅ぼしたもうことなかれ」で警告しているとおり、「外来資本主義」に日本の優良な企業がのみこまれかねない状況にある。これを食い止める方法は、中小企業の過剰債務の軽減だ。ハゲタカに巨額な儲けをさせるよりは、中小企業の過剰債務を軽減することがどれだけ日本の経済の活性化につながるかは明かだ。
    


2015年4月8日水曜日

最近思うこと

「教え子を再び戦場に送るな」
の原点に返って 
 工藤 芳弘 
  都教組合委員長
  東京革新懇代表世話人

「教え子を再び戦場に送るな」とのスローガンは、日本の教職員組合運動の原点だ。
このスローガンは、1951年の1月に採択され、同時に、「全面講和」「中立堅持」「軍事基地提供反対」「再軍備反対」という、講和と日本の進路についての「4つの原則」も採択された。
戦前、教育は国民を戦争にかりたてるための強力なテコとして使われた。その中心は、天皇を神として崇拝し、日本を天皇が治める国として、アジア諸国への侵略を正当化し、それを「聖戦」として美化することだった。そして、国のために死ぬことがもっとも尊い行いだと、教師は子どもたちに教えた。教育は、完全に国家の統制のもとにおかれ、学校は国民学校となり、教科書も国定教科書となったのだ。
このような中で、日本の教師たちの多くは教え子を戦場に送る役割を担わされ、何百万という若者を戦場に送った。
その悔恨の思いと反省から、戦後の教育は出発し、教職員組合は、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを高々と掲げたのだ。
1947年5月3日には、日本国憲法が公布され、当時の文部省は、新制中学校1年生用社会科教科書として、『あたらしい憲法のはなし』を発行した。これを手にした子どもたちや教職員が、どのような思いをもってそれを受け止めたのかは想像に難くない。「戦争の放棄」については、「日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです」とはっきりと書かれている。
ところが、今の日本はどうだろう。特定秘密保護法、集団的自衛権行使、沖縄の米軍基地問題、そして憲法九条改悪の動き・・・。それと一体となった安倍「教育再生」。戦前の日本が重なってくる。

「教え子を再び戦場に送るな」―今こそ、この原点に立ち返り、この思いを新たにしなければならない。