2017年1月9日月曜日

下町人間庶民文化賞受賞
有原誠治さんにインタビュー
 東京革新懇代表世話人で映画監督の有原誠治さんが、「下町のノーベル賞」とも言われる「下町庶民文化賞」を受賞。受賞者は俳優の市原悦子さん、弁護士の内藤功さんなど5人です。
受賞の感想は如何ですか
 めったに賞など頂いたことがありませんので、私などでいいのかなぁ・・・との戸惑いもありました。が、今は素直に喜んでいます。光の当たらない所に光を当てるのが下町人間庶民文化賞、とも聞きました。庶民による、庶民のための文化賞というのが、とても嬉しいですね。
受賞の対象は何ですか
 私は戦後まもない1948年生まれで、新しい憲法の下で教育を受けて育ちました。おかげさまで、アニメーションや映像制作を仕事として自由に選択できました。その仕事で恩返しとも思い、〝マイナー〟と云われながらも戦争の悲惨さや平和の尊さを描き続けてきました。
 1991年に監督したアニメーションの「うしろの正面だあれ」から2015年の「一歩でも二歩でも」まで、反戦、反核平和の作品をつくり続け、また同テーマの海外の映像作品に字幕をつけて日本に紹介してきたこと。さらには、労働組合や東京革新懇などに参加して活動する傍ら、被爆者の声をうけつぐ映画祭を10年間開催し続けて来たことなどが、主な受賞理由でした。
抱負をお聞かせください
 安倍内閣の〝戦争できる国づくり〟への暴走が続いています。その一方で、日本の反核平和運動の牽引者であった被爆者の平均年齢が80歳を超えて、証言することも行動することも困難になりつつあります。危機感を持ちつつ、被爆者の活動をカメラを持って追いかけて、後世に残そうと記録しています。 私(68)もすでに高齢者ですが、被爆者の方が云うには、まだまだ〝若造〟だそうですから、がんばらないといけません。
 もう一つ、現在取り組んでいますのが、長年に渡って記録してきた慢性疲労症候群、別名筋痛性脳脊髄炎という難病患者のたたかいをドキュメンタリーにまとめる作業です。来春完成予定です。


「民主文学」新人賞受賞

岩崎明日香さんにインタビュー

以前に東京革新懇代表世話人であった岩崎明日香さんの小説「角煮とマルクス」が、第13回「民主文学」新人賞を受賞しました。「広く社会を見通す目を持った若い女性作家の誕生を心から喜ぶものである」「秀逸である」など評者の評価は高い。
受賞の感想は如何ですか
 同世代や後輩の世代が感想をくれたのは嬉しかったです。書くことは、自分の過去を見つめ、今後生きる上での力になる営みだと学びました。受賞作を民主主義文学会の支部の人や文学会以外の人にも読んでもらう中で、「自分の中にも訴えたいものがある」と発見してくれた人もいて、励まされました。
 東京で各分野の皆さんと共同のたたかいがあったことで成長させてもらい、それが作品を書く力になりました。東京の運動での出会いに感謝しています。
小説に込めた思いは何ですか
 若い世代、シールズやママの会をはじめ市民が自分の言葉で声を上げる時代になっています。この十年以上、若い世代が貧困と自己責任論に苦しめられるもとで、たたかいを起こし、大きく広げることには難しさもありましたが、その時期に青年運動を担った一人として、自分の家族が直面した困難と、それを経て社会を変える生き方を選んだ人間像を、一例として描いておきたいと思いました。
社会運動への係わりと父親との葛藤がテーマと思いますが
 20歳の頃、父親が傷害事件を起こし、その後すぐに肺がんで亡くなり、和解できないまま終わりました。他の人には自己責任じゃないよといいながら、自分の父親には「自業自得」という思いを乗り越えられずにいました。父の死からの9年間で、街頭相談で路上生活の方などと出会う中で、父親のことも、過ちについては償うべきだけれど、それを理由に死ななければいけないことはなかった、生きる権利はあったはずだと飲み込めるようになりました。
今後の抱負を聞かせてください
 もともと、青年の群像劇を書きたいと思って創作への挑戦を始めました。リーマンショックと311を経て、13年の参院選でブラック企業を告発して共産党が躍進する、その時期の青年の雇用の実態と、そこから立ちあがる姿を描きたいです。社会の隅々で苦労しながら社会を支えている、その人たちの生き方を伝えたいと思っています。