2014年1月29日水曜日

最近思うこと

「はだしのゲン」攻撃と都教委
有原誠治映画監督、
 東京革新懇代表世話人)
昨年八月に松江市でマンガ『はだしのゲン』閉架措置が露見し、国民的批判の中でその措置は撤回された。だが、『ゲン』への攻撃はいまも続いている。攻撃しているのは、新しい歴史教科書をつくる会とそこにつながる草の根の右翼。原作者中沢啓治さんが原爆投下をもたらした要因として、侵略地での日本軍の蛮行を描き、昭和天皇の戦争責任に触れて描いた部分を取り上げて、教育現場からの撤去を求めている。
昨年の秋。私の仕事場のある練馬区の教育委員会には陳情という形で、東京都教育委員会には請願という形で、「はだしのゲン」の教育現場からの撤去をもとめる要望が出された。松江市で勝ち取ったものを練馬や東京で後退させるわけには行かない。友人たちと相談し、『はだしのゲン』の自由閲覧の維持を求める運動を展開した。
122日の練馬区教育委員会は、教育委員全員が陳情について発言し、「特定の図書を問題にすることは、検閲を禁止している憲法21条に触れる」「現場の先生方の図書選定を尊重し、統制しない」などの発言があって、全員一致で撤去を求める陳情などを不採択とした。一方、東京都教育委員会は19日に審議があって、ここも友人たちといっしょに傍聴した。都の教育委員会は、「さまざまな図書館資料がおかれることが必要である」などの理由から請願には応じないとする回答が採択された。そこは良かった。だが、『ゲン』については「暴力的な表現など、その一部に教育上配慮が必要な表現がある」とし、それを受けて、「我が国と郷土を愛する態度や、国旗、国歌の意義などについて、児童、生徒を正しい理解に導くよう、都立学校や市町村教育委員会に対して指導、助言を行ってまいります。」と、強引にまとめていた。これではまるで、統制ではないか。