2015年9月2日水曜日

最近思うこと

    革新懇の旗高く

小中陽太郎 
   作家
  東京革新懇世話人 

 沖縄戦敗北の記念日直前の、6月20日、「軽井沢9条の会」の10周年記念の講演会にうかがった。地道に活動してきた9条の会(代表土屋ちよ、なんと私と東京世田谷の同級生)と軽井沢追分教会の稲垣壬午牧師や南教会の信徒たちで文字通り革新統一の集会だった。軽井沢追分教会は、稲垣牧師一家が3代にわたり定着、日本の教会でも珍しいパイプオルガンを備えている。
 思い起こすと、革新懇は発足のころ、よく旅をした。いまはなき松浦総三さん(評論家)や共産党代議士吉岡吉典さんなどと角倉洋子事務局員と気仙沼を尋ねた。
 当時革新統一という言葉は、労働組合、政党など諸団体との民主的交流を志していたようにおもう。
 それはいまでも維持されていようが、さらに多様な市民の交流の場になっていて親しみやすい。研究会などのほかに、既成のマスコミの二極化のなかで、(マスコミにどう立ち向かうかが、軽井沢での話の主な内容だったが)、この革新懇ニュースなど、手作りの紙の情報がおおきな手段になっている。そういう意味で軽井沢ひとつとっても地域や職場と市民をつなぐ運動になってほしい、とおもう。
 このあと高校時代運動部の合宿で夏と言うと汗を流した千が滝を尋ねた。木下恵介の「カルメン故郷に帰る」をロケした千が滝分校は廃校になっていたが、星野温泉で作家の高平哲郎がまっていてくれて、信州そばにしたづつみをうった。もちろん蕎麦焼酎もわすれずに。帰京後、安保法案急を告げ、わたしも国会前にデモに行ったが、そこにはいつも各地の革新懇の旗が9条と並んではためいていた。
 最近鶴見俊輔さんが逝去されたが、わたしは信州をたずねたあとのこととて、赤旗日曜版(八月九日)の弔辞で思わず上田出身の真田幸村を詠んだ俊輔さんの詩を引用した。
「幸村は六文銭のはたをたてて」
これからも安倍退陣、安保法案廃案、憲法9条堅持の旗を高く掲げてほしい。


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